当社標準の耐震基準について3つの視点で見る、木造住宅の構造安全性の考え方
地震の多いわが国で、耐震性は多くの建て主様が気にされることのひとつです。専門的な内容になりますが、①建築基準法に基づくチェック方法、②福井県高耐震基準による所要耐力壁の量、③耐震等級(品確法)に基づくチェック方法という3つの視点から、木造住宅の構造の安全性を担保するしくみを解説します。
※本記事は2017年公開時点の情報です。現在あまや製材では、全棟において許容応力度計算による耐震等級3を標準仕様としています。最新の耐震仕様は「推奨仕様一覧」、採用の経緯は「耐震について1 4号建築物」「耐震について2 耐震等級」のコラムをご覧ください。
建築基準法では、耐震基準をクリアしているかを確認するために構造計算を行うことになっています。ただし、2階建以下の木造住宅には特例(4号特例)があり、建築士が設計した建築物は確認審査が簡略化されるため、確認申請書に添付する図書が少なくなります。すなわち、構造計算書・壁量計算書の添付が不要となる建物があるのです。
4号建築物とは、次の条件をすべて満たす建物です。ほぼすべての木造住宅が該当します。
- 木造2階建以下、延床面積500㎡以下
- 高さ13m以下、軒の高さ9m以下
ただし、構造の検討(仕様規定)は必ず行う必要があります。具体的には、次の3つをチェックします。
- ①壁量のチェック
- ②壁量バランスのチェック
- ③接合方法のチェック
建築基準法では、原則として木造2階建以下の住宅はこの仕様規定を満たせば構造の安全性があると判断されます。しかし、この規定は地震・風による水平力への安全性を確認するにとどまり、積雪などの鉛直荷重を見込んだ計算にはなっていません。
積雪地である福井県では、「雪に強い家づくりの手引き」により、各階の床面積に乗じる数値が推奨されています。あまや製材の新築住宅では、原則としてこの数値(積雪2.0m相当)を採用しています。
| 屋根の重さ | 階 | 建築基準法46条 | 最深積雪量1.5m | 最深積雪量2.0m |
|---|---|---|---|---|
| 屋根が重い | 平屋 | 15 | 34 | 40 |
| 屋根が重い | 2階建(2階) | 21 | 39 | 45 |
| 屋根が重い | 2階建(1階) | 33 | 51 | 57 |
| 屋根が軽い | 平屋 | 11 | 30 | 37 |
| 屋根が軽い | 2階建(2階) | 15 | 35 | 41 |
| 屋根が軽い | 2階建(1階) | 29 | 46 | 53 |
この数値を比較すると、必要な耐力壁の量は基準法令46条の場合と比べて実に倍近くとなります。プランニングの際には自由度の高い設計が難しくなる面もありますが、施主様にもぜひご理解いただきたい部分です。
長期優良住宅の採用も多くなってきたあまや製材では、この場合、耐震等級2以上が条件のひとつとなります。
<耐震等級とは>
極めて稀に発生する地震に対して、構造躯体が倒壊・崩壊等をしにくい度合いを、等級1〜3で表示するものです。
<具体的には>
壁量のチェック、壁量バランスのチェック、床倍率のチェック、接合方法のチェック、横架材のチェックなどがあります。
ただし、等級2で必要となる壁量は、福井県高耐震基準による所要耐力壁の量(積雪2.0m相当)とほぼ近い値になるため、プランニングでのチェック内容は大きくは変わりません。

