4号建築物と構造計算のポイント「4号特例」の誤解と、耐震等級を取得するための構造計算チェックリスト
長期優良住宅とする際の認定基準となる耐震等級は等級2ですが、あまや製材では現在、全棟で許容応力度計算による耐震等級3を実現しています。「耐震等級」と言われても、一般の方にはピンとこないかもしれません。少し難しい話になりますが、耐震等級を分かりやすくご説明していきたいと思います。今回お話しする内容は、長期優良住宅や性能評価住宅に使用する、品確法における耐震等級計算についてです。
※本記事は2020年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。
福井県は近年、地震が少なく、地震保険料が最も安い地域となっています。地震はできれば避けたいものですが、私を含め、経験値はほとんどありません。鉛直方向の力の流れは経験値から理解できても、水平方向の力の流れは理解しにくいものです。
耐震性は、断熱性や気密性のように快適性を体感できるものではありませんが、命を守り、住み続けるための住宅にとって最も大切な性能です。性能表示制度のメリットとしては、第三者の住宅性能評価機関が評価するので性能の比較が公平であり、資産価値を維持しやすいこと、耐震等級に応じた地震保険料の割引を受けられることが挙げられます。
地震保険料の割引率
| 耐震等級 | 割引率 |
|---|---|
| 3 | 50% |
| 2 | 30% |
| 1 | 10% |
建築物には、構造・階数・規模により特例を受ける「4号建築物」があります。『建築士が設計した建築物』については確認審査を簡略化し、確認申請に構造計算書・壁量計算書の添付が不要となります。木造の場合、4号建築物は次の条件を満たすものです。
- 階数:2
- 延床面積:500㎡以下
- 最高高さ:13m以下
- 最高軒高:9m以下
ほとんどの木造二階建ては、この特例のある4号建築物にあてはまります。
建築基準法第6条第1項第1号〜4号の建築物
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 1号建築物 | 特殊建築物(建築基準法別表第1(い)欄用途のもの)かつ床面積100㎡超 |
| 2号建築物 | 木造かつ、階数3以上・延べ床面積500㎡超・高さ13m超・軒高9m超のいずれかに該当 |
| 3号建築物 | 木造以外かつ、階数2以上・延べ床面積200㎡超のいずれかに該当 |
| 4号建築物 | 上記以外のもの |
勘違いしてはいけません。4号特例は図書添付が不要であるだけで、計算省略ではありません。計算省略と勘違いされたまま建築され続けている木造住宅が、少なからずある現状があります。木造住宅は、平面図と立面図さえあれば何とか建ってしまうといったイメージです。このような現状から4号特例廃止の動きもありましたが、反対意見も多く見送られています。耐震等級の評価をしない場合であっても、建築基準法のチェックは必ず検討すべきです。
建築基準法のチェック(耐震等級1)
- 1. 壁量計算:耐力壁が基準法上必要なだけあるか
- 2. 壁の配置:四分割法による壁配置のチェック
- 3. 接合部:仕様規定・N値計算
- 4. 基礎:仕様規定・N値計算
基準法のチェックにおいては水平方向の検討が少ないのに対し、耐震等級や耐風等級を2以上取得する品確法の場合は、上記チェックのほかに次のチェックが必要となります。
- 床倍率のチェック
- 胴差と通し柱・横架材の接合部チェック
- 基礎の配筋・横架材断面選択
前置きが長くなりましたが、次回は「耐震等級」について詳しくお話しします。