ヒートポンプの仕組みと注意点COPで見る効率の考え方と、設置時に気を付けたい3つのポイント
エアコンやエコキュート等に用いられているヒートポンプは、省エネやCO2削減効果が期待されています。今回はその仕組みと、採用する際に気を付けたい点を確認していきます。
※本記事は2021年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。
普及しているヒートポンプは圧縮式と呼ばれ、外気を圧縮したり膨張させたりすることで熱を冷媒に移動させ、温めたり冷やしたりします。ポイントは外気の熱を利用する点にあり、うまく効率を高めると、投入したエネルギーよりも大きな熱エネルギーを取り出すことができます。
電熱線でお湯を沸かす電気温水器とエコキュートの違いはこの仕組みにあり、一般的に電気温水器の電気料金は、エコキュートの3〜4倍と言われています。
ヒートポンプ技術は国が取り組むエネルギー施策の一つでもあり、特に家庭用エアコンの効率は年々向上しています。投入エネルギー(電力)に対して取り出せる熱エネルギーの比を「COP」と呼び、家庭用エアコン等ではCOPが6以上のものも出てきています。電気エネルギーから直接熱を得る電気ストーブの約6倍、効率が良いとも言えます。また、温熱と冷熱の両方を利用できる技術であり、冷蔵庫や乾燥機などの省エネ家電にもこの技術が利用されています。
1. 外気温に影響される
外気を利用するため、外気温が低いと効率的に暖房しません。北海道などの寒冷地では不向きな場合もありますが、比較的温暖な福井県では適していると考えます。1階に設置するメインのエアコンは、霜取り運転の不要な寒冷地エアコン(ズバ暖等)を推奨しています。
2. 初期コストと保守費用が高い
一般的なガス・灯油式給湯器と比べ、エコキュートは初期費用が高くなります。また、圧縮と膨張を繰り返すヒートポンプには、故障しやすい一面があります。電化製品であることをきちんと認識し、点検・メンテナンス・交換などしやすい機器の選定と取り付けが必要です。特に、配管を壁の中などに納める隠蔽配管には注意が必要です。あまや製材では、保守修繕費の積み立てをお勧めしています。
3. 雪・ドレン水・低周波騒音対策が必要
雪に埋もれてしまうと外気が利用できず、ヒートポンプはうまく作動しません。屋根から落ちてくる硬い雪により、室外機が傷んでしまう場合もあります。圧縮・膨張の際にはドレン水(結露水)が発生するので、排水処理対策や、夜間の近隣に対する低周波騒音にも気を付ける必要があります。気を付けるべきは、設置する位置や取り付け方です。エコキュート等にはできるだけ屋根を付け、屋根雪が溜まらない位置への設置を推奨しています。水漏れなどの故障の際に気づきやすく、点検しやすい位置に設置した方が無難です。高い位置に設けた方がよい場合もありますが、外壁に直付けすると振動障害の原因となるケースもあります。
室外機メーカーも、安定した能力を発揮するための設置位置・ドレン水の排水対策・雪対策のポイントを案内しています。設置業者と相談しながら、正しい位置に設置することが大切です。
ヒートポンプは省エネ効率が高く、暖房・冷房のどちらにも利用できるため国の施策にも合致しており、現在の補助事業ではヒートポンプの利用がスタンダードとなっています。費用対効果を高めるためにも、設置位置・取り付け方法には十分注意して利用しましょう。