施主様との関係で大切にしていること価値観を伝える・設計の手がかりを探す・本当のことを伝える
あまや製材は建設会社ですが、あまや建築設計事務所という設計事務所も併設しています。今回は、打ち合わせ等の際にお施主様との関係について注意していることを、「価値観を伝える」「設計の手がかりを探す」「本当のことを伝える」の3つを中心にお話しします。
※本記事は2020年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。
2020年当時、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためオンライン対面の重要度が増し、弊社でもLINEやオンライン会議を取り入れるようになりました。ただし、施主様も設計者も、実際に会ってみなければどんな方なのか分かりませんし、その方との相性も大事ですので、オンラインだけでは難しい面があります。直接、お互いの住宅に対する価値観を伝え合う必要があります。
例えば、耐震や断熱等の住宅性能を全く問わないという施主様であっても、弊社が最低限としている性能を落とすことはいたしませんし、その理由もはっきり伝える必要があります。施主様の価値観と、私どもが普段大切にしているプロセスなどがマッチするか、できる限り伝えるようにしています。
以前、コラムで詳しく書きましたが、設計する際に大切なことは、優先順位をつけて整理することだと思います。
敷地を読む
現場には必ず行き、日当たりや周辺環境を直接感じることはとても大切です。例えるなら、家とはその土地に生息するキノコのようなものだと言われます。
暮らしを読む
施主様がどんな方で、今までどのように暮らしてきたか。これから将来は、どのように暮らしたいか。ただご要望を聞くだけではなく、暮らし方の提案ができるよう心がけています。
敷地と暮らし方から設計の方針となる手がかりをつかみ、優先順位を整理していければ、施主様にとっても心地よい住まいとなるのではないかと感じています。
個人的にはこれが最も重要だと思います。住宅を建てる際には、たいてい何かしら乗り越えなければならない壁のようなものがあり、施主様と共同で解決していく場面があります。また、施主様のご要望が、経験上間違っているのではないかと思うケースもあります。経営上、お仕事をいただきたいので施主様に嫌われたくないですが、後々、施主様のためにならないと感じることは「ダメです。なぜならこうだからです」と言える関係が最良ではないでしょうか。
もちろん、施工者として、施主様のネガティブ体験を減らす努力は徹底すべきです。たとえば、一方的なマニュアルトークや他社の悪口、打ち合わせ内容が現場に伝わっていない、施工がいい加減、現場が汚い等は、施主様として大変嫌な気分になります。
施主様とのお互いの関係は、私ども工務店と協力会社さんや職人さんとの関係に似ていて、原則としては50:50の関係で約束を守ることが重要だと考えております。施主様も私どもも、思ったり感じたりしたことをストレートに伝えあえる関係がベストです。
最後に施主様へのアドバイスとして、原則的には一社検討をお勧めしています。競合をしないというわけではないのですが、ホームページや現場見学などを通して、その会社が施主様に適した家を作ってくれそうであれば、一度その会社で仕事を進めてみて、もしダメそうであれば断りを入れれば良いのです。そうすれば、設計工程にじっくりと時間と労力を掛けられますし、お互いに50:50の関係性を保ちやすいからです。