HOUSING COLUMN
壁体内結露はなぜ起こるのか冬型・夏型・初期型――結露のメカニズムと4つの防止ポイント【理論編】
住宅において結露は様々なトラブルを引き起こします。冬になるとアルミサッシ等の窓まわりが結露でびしょ濡れになり、床や窓枠等が腐ったり汚くなったりするのは大変嫌なことです。結露が原因でカビやダニが発生し、健康被害を引き起こすこともあります。目に見えるこれらの表面結露の多くは断熱の不足や欠損により発生しますが、同じ現象は壁の中でも起こっている可能性があり、これは建築用語で「壁体内結露」と呼びます。壁体内結露は、木造建物の構造部材の耐久性に重大な影響を与えます。
💧 結露対策
🗓️ 2021年10月公開
※本記事は2021年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。
空気は温度が高いほどたくさんの水蒸気を含むことができる性質があり、逆に温度が低いと少ししか水蒸気を含めません。湿気のある暖かい空気が冷やされると水蒸気が水滴になる、これが結露です。
壁体内結露のやっかいなところは、見えない部分であり、原因が単一で起きることが稀である点です。また「壁体内」と言いましたが、壁だけでなく屋根・天井・床・基礎部分についても発生する可能性があります。
結露にはいくつか種類があります
- 冬型結露:温度が下がると発生します。室内の暖かい空気が外気で冷やされると結露します。
- 夏型結露:湿度が高いと発生します。暑くて湿気の高い外気が冷房などで冷やされて結露します。
- 初期型結露:施工中の過度な湿気が原因です。新築間もないコンクリートに含まれる水分や、施工中に濡れた材料の乾燥不足等によるもの。
- その他にも、壁・屋根・床・基礎の連結部の断熱欠損や、配管・金物貫通部の防湿欠損によるものがあります。見落としてはいけないものとして、雨水の漏水や浸透も考えられます。原因の特定できない結露が、実は雨水浸透であったりします。その他、換気不足や加湿器を必要以上に使用するなど、住まい方によるものもあります。
必要以上に恐れる必要はありませんが、床・外壁・屋根(天井)という建物の器に弱点を作らないこと、リスクマネジメントを伴った施工を行うことが重要です。
- 1. 室内から壁の中に湿度を侵入させない
- 2. 温度を露点にさせないために断熱と気密を連続させる
- 3. 施工中の過度な湿気を溜めない施工を行う
- 4. 湿度を逃がす通気を行う
まずは、上記4点を満たすための基本の断熱構成を理解する必要があります。外側に通気させるので、外に向かって開放が原則です。壁体内の湿気を外部に排出しやすいように、外側へ行くほど水蒸気を通しやすくさせる構成となります。
次回は、この考え方をもとにした具体的な断面構成について、「防湿気密層」「断熱層」「防水防風層」「通気層」という4つの層の役割を実践編としてご紹介します。