資産価値の高い家とは土地選びと住宅性能で決まる、次世代へつなぐ家の価値
株式会社あまや製材で代表を務めております、一級建築士の竹田稔と申します。住宅を新築したり、リフォームしたりする際に、ぜひ気にしていただきたいのが「資産価値」です。資産価値とは、所有した土地や建物が何年か後にも、きちんとした財産となりえるかということ。地球の資源である木材などを使って建てた家は、20〜30年程度で壊してしまうのではなく、所有者が変わっても長く使い継いでいきたいものです。今回は、資産価値を保てる家とはどのような家なのか、土地選びと住宅建築それぞれの注意点からお話しします。
※本記事は2020年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。
私の知る限りでも、注文新築住宅は難しそうだからと、中古住宅の購入を検討している方はたくさんいらっしゃいます。それにもかかわらず、資産価値がゼロになり、住まなくなった空き家がどんどん増えているのが現状です。空き家となった家の所有者(多くは都会に暮らすお子さんなど)は、不要になった家に対しても相続税や固定資産税を払い続けなければなりません。
一般的には築20年を目安に資産価値が0になりますが、中には資産価値が落ちにくい家というのも存在します。世代や所有者が変わっても長く住み継がれる家こそが、資産価値の高い家です。どんな家がその価値を保てるのか、「土地購入の際」と「住宅建築の際」の2つに絞ってお話しします。
立地条件は資産価値に大きく影響しますが、まず注意したいのが「境界が確定されているか」という点です。法務局で謄本・公図・地積測量図が入手できますが、昔の境界はあいまいなものが多く、地積測量図の無い土地も少なくありません。
- 境界確定の費用:地積測量図があれば隣地や道路との境界が明確になりますが、無い場合には近隣の方や道路等を所有する市・県との立会確定が必要となり、地積測量図を作成・登記しようとすると多額の費用がかかります。
- 接道の確認:土地が道路に接していない場合には、建築ができない土地もあります。
- 近隣トラブルの有無:境界や雪により近隣トラブルが発生している土地は、建築中も住み始めた後も心配が続くことになります。
- ハザードマップの確認:災害・事故のリスクを減らすため、浸水や土砂災害・なだれ等のリスクも事前に確認しておくと良いでしょう。
住宅の性能といえば、耐震・耐久・断熱と言えるでしょう。簡単に言えば、これらにお金をかけることが資産価値を保つ最大のポイントになります。長期優良住宅・低炭素住宅等を採用すれば、これらの性能を数値化し、第三者にも性能の程度を示すことができます。安全・安心・快適な家は、健康・災害・事故のリスクを大幅に減らすことができます。
間取りと設計士の意見
一般的に使いやすい間取りで、大きすぎない家は、他の人も欲しいと思える家になります。こだわりも大事ですが、多くの住宅に関わってきた設計士の意見にもぜひ耳を傾けてください。正直、設計士は施主様に嫌われたくないという気持ちもありますが、大事なことはきちんと伝え合い、コストをかける優先順位を間違えないようにすることが大切です。
住宅設備への投資は不向き
住宅設備に関しては、いずれ交換することが前提であるため、投資としては不向きです。高機能なキッチンや浴室等の部材は、故障修理の際にもコストがかかります。性能とは関係のないリフォームに繰り返しコストをかける方もいますが、継ぎはぎの増築や、構造計画を無視した安易な間取り変更等は、コストをかけたにもかかわらず建物の価値を下げてしまいます。
最も注意したいのは、確認申請を行わずに違法な増築を繰り返した家です。結果的に、まっとうな建設会社では手出しできなくなってしまいます。中には、自分の家が違法建築であることを知らない施主様もいらっしゃいます。
メンテナンス性と定期点検
外壁や屋根、構造材などには、できるだけメンテナンス費用のかかりにくい部資材を採用したり、防水・防露対策を入念に行うことが大切です。しかし、メンテナンスの必要ない部資材はありません。雨漏り・結露等、構造材に大きな影響を与える部分は、こまめなメンテナンスを行い、木材などの構造の老朽化を防ぐ必要があります。定期的な点検と修繕費の積み立てが、資産価値を守ります。
補助事業の活用
投資価値のあるリフォームとして、耐震性・断熱性を高めるいくつかの補助事業があります。木造住宅耐震改修促進事業や長期優良化リフォーム事業、省エネ改修補助事業等です。これらを利用することは、補助金のメリットだけでなく、資産価値を上げることにもつながる点に注目しましょう。
資産価値を保つ家は、境界の明確な土地に、耐震・耐久・断熱にしっかりと投資し、使いやすい間取りとメンテナンス性を兼ね備えた家です。あまや製材では、許容応力度計算による耐震等級3、断熱等級6以上、C値0.7㎠/㎡以下保証といった高い住宅性能を全棟の標準仕様とし、次の世代へも安心して引き継げる家づくりをご提案しています。