気密化はなぜ重要なのか省エネ・快適性・結露防止に関わる、高気密住宅づくりの4つの目的
あまや製材では、気密化の再徹底のため独自の自社気密マニュアル(社外秘)を作成し、高気密住宅の推進に励んでいます。今回は、気密化の重要性について詳しくお伝えします。
※本記事は2019年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。
徒然草の「家のつくりようは、夏をむねとすべし」で語られるように、昔の日本家屋は通風性が良く開放的で、自然に換気する構造でした。しかし現在では、暖かく快適な住宅が求められています。暖かい住宅にするには、断熱材を厚くすればよいというわけではありません。「断熱性能」と同様に、外と内の間の隙間を少なくする「気密性能」が重要になります。より具体的な気密化の目的は、次の4つです。
- 1. 漏気負荷を減らし、省エネルギー化と室内温度環境の快適性向上を目指す
- 2. 壁体内の通気を抑制し、断熱性能の低下を防止する
- 3. 壁体内結露を防止する
- 4. 計画換気の性能を保持する
1. 漏気負荷を減らし省エネ・快適性を高める
家の隙間が大きいと、冬にはせっかく暖めた空気が上から逃げ、下から冷たい空気が入ってきます。夏には湿った暑い外気が入り込み、エアコン等による冷房や除湿の電気代がかさみます。このように、意図しない所から出たり入ったりする空気のことを「漏気」と呼び、漏気は省エネルギーと快適性の妨げとなります。
2. 壁体内の通気を抑制し断熱性能を守る
断熱材は原則として、内部にある空気を動かさないことによって断熱性能を発揮します。壁の中の空気が、隙間から入る風などによって動いてしまうと、断熱材に厚みがあっても十分な断熱性能を発揮することができません。
3. 壁体内結露を防止する
湿気は、冬には家の中に発生し、夏には外気に多く含まれています。この湿った空気が漏気によって床下や外壁、屋根裏に留まると、断熱材が濡れたり、構造木材が腐ったり、カビが発生したりします。断熱性だけでなく耐震性や耐久性も損なわれるため、壁体内結露の原因となる漏気は、しっかりと止める必要があります。
4. 計画換気の性能を保持する
漏気の多い住宅では、空気の入口が多くなります。その結果、居室内部の圧力分布が乱れます。隙間から空気が流入すると、給気口からの給気量が減り、想定通りの換気が行えなくなり、計画的な換気が難しくなります。気密化によって、空気の入口と出口を明確にすることが重要です。
住宅の隙間から意図せず排出・流入する「漏気」ですが、どのようなものがあるのでしょうか。漏気の種類について解説します。
1. 温度差漏気
建物の内と外に温度差がある場合、暖かい室内空気は外気より軽いため建物の上の隙間から外に逃げようとし、反対に冷たい外気は下の隙間から入ろうとします。これを煙突効果による「温度差漏気」と呼びます。気密性能が高い住宅では、温度差漏気は少なくなります。C値1.0㎠/㎡以下の気密性の高い住宅では、内外温度差30度でも、温度差漏気はほとんど発生しないことになります。
2. 隙間前後の圧力差による漏気
空気は圧力の高いほうから低いほうへ流れます。隙間の前後に圧力差が生じると、そこから漏気が起こることになります。
3. 風力漏気
建物に風が当たると、風上では圧力が高く、風下では圧力が低くなります。風力は方位や風向き、建物の形状などにより大きく異なります。一般的に無風状態のときは少なく、風の存在は漏気に大きく影響するため、風の強い日には漏気が増えることになります。
漏気によってどれだけの熱が奪われるか、実際の熱量の把握は難しいものですが、気密レベルに応じて、風や温度差によってどのくらいの漏気が起きるかは計算できます。風や温度差による漏気を一定量以下に抑えるためには、C値0.7㎠/㎡以下が望まれます。目標値としては、C値0.5㎠/㎡以下が理想的と言われています。ただし、これは第三種換気システムをベースにした数値であり、第一種換気システムのほうが風の影響を受けやすいため、さらに高い気密性能が要求されます。
この時に初めて達成したC値0.5という数値は、あまや製材にとって大きな一歩でした。その後、施工技術と検査体制をさらに磨き上げ、現在ではC値0.7㎠/㎡以下を全棟保証、自社目標としてC値0.3㎠/㎡以下を掲げるまでになっています。今後も、全棟中間気密測定を継続し、高い気密性能を安定して実現してまいります。