換気システムの選び方24時間換気の必要性と、第1種・第3種換気の違いを解説
2003年に建築基準法が改正され、住宅の24時間換気が義務付けられました。これにより、住宅の空気を1時間に0.5回入れ替える換気機器の設置が必要となりました。住宅の高気密・高断熱化に伴い、生活用品や建材に用いられた化学物質、暖房機などから放出される一酸化炭素・二酸化炭素等が原因で起こる健康被害「シックハウス症候群」が問題視され、これを抑制するための規制です。現在では、あらためて換気の必要性が再注目されつつあります。
※本記事は2019年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。
なぜ、換気が必要なのでしょうか。代表的な換気のメリットは、次の5つです。
- 1. 結露対策(カビの抑制):室内の湿った空気がコールドドラフトなどで冷やされると結露が発生します。放っておくとカビの原因にもなり、建材の劣化から建物の寿命にも影響します。
- 2. ダニの発生抑制:ダニの発生数と換気には相関性があり、換気装置を使用しない場合、ダニの発生数は急激な伸びを示します。
- 3. 外部空気の影響減:日本にはPM2.5や花粉といった外部からの有害物質が存在します。有害物質が室内に入らないよう、外の空気をフィルタリングして室内に取り込みます。
- 4. CO2濃度低下:室内のCO2濃度の上昇は集中力の低下につながります。換気によりCO2濃度を下げ、室内環境を向上させます。
- 5. 省エネルギー性能:換気の中には熱交換のできるシステムもあり、冷暖房負荷を減らすためのものです。
換気形式は大きく分けて3タイプあります。住宅に使用されるものは、主に第1種と第3種です。
- 1. 第1種換気:給気・排気とも機械換気で強制的に行う換気方法です。機械換気の中で最も確実な給気・排気が可能で、各居室に給気機を設置します。給気量と排気量のバランスをとる必要があります。
- 2. 第2種換気:給気を機械換気で行い、排気を自然に行う換気方法です。建物の湿気が壁体内に侵入するおそれがあり、内部結露が起こる可能性が高くなります。
- 3. 第3種換気:排気を機械換気で行い、給気を自然に行う換気方法です。高気密住宅では、低コストで計画換気が可能で、各居室に給気口を設置します。低気密住宅では換気経路が確保されにくく、計画換気とならない点に注意が必要です。
排気する熱を再利用することで冷暖房費を削減する「熱交換システム」があります。これは第1種換気であることが前提です。排気される空気から熱を回収し、取り入れた外気に熱を移す機能を持たせるものです。熱だけを交換する「潜熱交換」と、熱と湿度を交換する「全熱交換」があります。また、ダクトを経由する「ダクト式」がほとんどでしたが、最近では局所換気に近い「ダクトレス式」もあります。
- 熱交換システムのチェックポイント:イニシャルコスト(システム自体の費用)、ランニングコスト、メンテナンスのしやすさ、熱の回収性能
ダクト式の第3種換気とは、各部屋の汚れた空気をダクトで大風量ファンへ一カ所に集めて排気し、自然給気口から給気を行うシステムです。住居の気密化が進んできた弊社としては、このシステムの標準採用を検討していました。
- メリット①:熱交換型に比べ、導入費用を抑えることができる。
- メリット②:熱交換にかけるランニングコストを冷暖房にかけることができる。
- メリット③:排気が一カ所集中であり、フィルター掃除等のメンテナンスが容易である。
- メリット④:大風量換気の風量調整が可能である。
その後、ダクト式第3種換気システム「ルフロ400」は、あまや製材の推奨仕様として正式に採用され、現在は全棟の標準換気システムとなっています(詳しくは推奨仕様をご覧ください)。
建物の内と外に温度差がある場合、暖かい室内の空気は外気より軽いため、建物の上の隙間から外に逃げようとします。反対に冷たい外気は下の隙間から侵入し、暖かい空気のドラフト効果により漏気が起こります。また、建物に風が当たると、室内空気との圧力差によって漏気が生じます。特に第3種換気の場合、住宅の気密性が換気性能に与える影響が大きいため、今後も気密化には十分に対処してまいります。