HOUSING COLUMN

長期優良住宅が選ばれる理由認定基準から税制優遇・ローン金利・地震保険まで徹底解説

新築住宅の中で長期優良住宅が占める割合は年々増加し、令和5年度には過去最高の31.3%に達しました。認定を受けると、住宅ローン減税の限度額引き上げや地震保険料の割引、フラット35の金利優遇など、暮らしと家計の両面でさまざまなメリットが得られます。長期優良住宅の認定基準から、税制優遇・ローン金利・地震保険といった具体的なメリットまで、分かりやすくご紹介します。

🏅 長期優良住宅 🗓️ 2024年8月公開

※本記事は2024年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。

「長期優良住宅」とはどんな家か

長期優良住宅とは、長期間にわたって良好な状態で使用するために設計・建設された優良な住宅のことです。長く安心・快適に住み続けられるように設計されており、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいて認定されます。新築を対象とした認定は平成21年(2009年)にスタートし、平成28年(2016年)からは既存住宅の増築・改築を対象とした認定も始まりました。

長期優良住宅(新築)の年度別認定実績と認定割合の推移を示すグラフ 拡大する
新設住宅着工戸数に占める長期優良住宅(新築)の認定割合は年々上昇し、令和5年度は31.3%で過去最高を記録しました(令和6年3月末時点)。タップで拡大表示できます。

平成21年6月4日の制度開始以来、令和5年度までの新築戸建ての認定累計は155万戸以上に達しています。新築・増築・改築および既存の一戸建ての合計の着工戸数に占める割合は4年連続で増加し、過去最高の31.3%となりました。認定戸数は毎年10〜11万戸程度で、新築戸建て住宅の約4戸に1戸が長期優良住宅の認定を取得している計算です。

認定を受けるための5つの基本基準

長期優良住宅の認定を受けるためには、着工前に必要書類を作成し、所管行政庁に申請する必要があります。おおまかな認定基準は次の5つです。

【新築戸建て】の詳しい認定基準

新築の戸建て住宅で長期優良住宅の認定を受けるための詳しい基準は、次の8項目です。

項目基準の内容
1. 劣化対策数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。劣化対策等級(構造躯体等)等級3。木造は床下に点検スペースの高さを確保し、小屋裏に点検口を設けること。
2. 耐震性地震発生後も長く住み続けられるよう、被害を受けにくい家であること。耐震等級(倒壊防止等)等級3(※2022年10月改正〜)、またはその他品確法に定める免震建築物に該当する証明。
3. 省エネルギー性必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。断熱等性能等級 等級5かつ一次エネルギー消費量等級 等級6(※2022年10月改正〜)。
4. 維持管理・更新の容易性耐用年数が短い配管設備の点検・メンテナンスが容易に行えること。維持管理対策等級(専用配管)等級3。
5. 居住環境良好な景観を守る地域の条例などに沿った家づくりがされていること。景観計画等の区域内にある場合は、その内容と調和を図ること。
6. 住戸面積良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。一戸建ての場合、75㎡以上かつ階段部分を除いて1階の床面積が40㎡以上であること。
7. 維持保全計画定期的な点検やメンテナンス計画により建物が保たれること。住宅の構造耐力上主要な部分・給排水設備・雨水の侵入を防止する部分について、3つの定期点検や補修を行うこと。
8. 災害配慮自然災害のリスクのある地域では、定められた措置を講じている住宅であること。申請する所管行政庁への確認が必要。

2022年10月の基準改正により、耐震性は耐震等級(倒壊等防止)2または3から等級3へ、省エネルギー性は断熱等級4から「断熱等級5かつ一次エネルギー消費量等級6」へと、認定基準が引き上げられました。

【新築】長期優良住宅の4つのメリット

長期優良住宅(新築)の認定を受けた住宅は、補助金や住宅ローン金利の引き下げなどを受けることができます。主なメリットは次の4つです。

住宅ローン減税 5000万円 子育て・若者夫婦世帯の借入限度額
投資型減税 650万円 所得税額からの控除上限
地震保険料 50%引 耐震等級3の割引率
エコホーム支援 100万円 1戸あたりの支援額

1. 税の特別措置

所得税の減税に加え、登録免許税・不動産取得税・固定資産税でも優遇を受けられます。

制度内容
所得税(住宅ローン減税)控除対象借入限度額は4,500万円(子育て世帯または若者夫婦世帯は5,000万円)。控除率0.7%、期間は最大13年間。対象は2024年12月31日までに入居した場合。2024年1月からは住宅ローン減税を受けるのに省エネ基準への適合が必要で、申請時に省エネ基準以上適合の証明書が必要です。
所得税(投資型減税)標準的な性能強化費用相当額の10%をその年の所得税額から控除(上限650万円)。住宅ローンを使わず現金で長期優良住宅を建てた場合に受けられる減税で、対象は2025年12月31日までに入居した場合。住宅ローン減税とは併用できず、いずれか一方の選択適用となります。
登録免許税保存登記は0.15%→0.1%、移転登記(戸建て)は0.3%→0.2%に引き下げ。対象は2027年3月31日までに新築された住宅。
不動産取得税控除額が1,200万円→1,300万円に増額。対象は2026年3月31日までに新築された住宅。
固定資産税戸建ての1/2減税の適用期間が3年→5年に延長。対象は2026年3月31日までに新築された住宅。

2. 住宅ローン金利引き下げ

制度内容
フラット35S(金利Aプラン)及び維持保全型フラット35の借入金利を、当初5年間、年0.75%引き下げ。
フラット35子育てプラス借入金利を当初5年間、子どもの人数に応じて引き下げ。若夫婦世帯または18歳未満の子1人の場合は年0.25%、子2人の場合は年0.5%、子3人の場合は年0.75%。
フラット50返済期間の上限が50年間。住宅売却の際、購入者へローン返済の引き継ぎが可能。

3. 地震保険料の割引

長期優良住宅は耐震性が求められます。所定の確認資料を提出することで、地震保険料の割引を受けることができます。

割引の種類割引率
耐震等級割引(等級1)10%
耐震等級割引(等級2)30%
耐震等級割引(等級3)50%
免震建築物割引50%

4. 子育てエコホーム支援事業

長期優良住宅は1戸につき100万円の支援を受けられます(対象:若夫婦世帯または18歳未満の子を有する世帯。国の支援事業)。

認定までの流れ

長期優良住宅の認定を受けるためには、工事着工前に所管行政庁へ申請する必要があります。申請手続きは施工業者が代理で行うこともできます。

工事完了後

工事が完了したら、原則として認定を受けた計画に基づいて工事が完了した旨の報告が必要です。

メンテナンスの記録

申請時に作成した「維持保全計画」に従って計画的に点検を実施し、必要に応じて調査・修繕・改良を行うことが必要になります。さらに、その内容の記録を作成し保存することが求められます。

まとめ:永く安心して暮らせる住まいのために

長期優良住宅は、長期にわたり安全かつ快適に住むことを目的とする住宅です。手間をかけてでも申請した方が、それ以上にメリットが大きいのが長期優良住宅認定制度といえます。

家づくりは建てて終わりではありません。何十年も暮らすことを考えると、長期優良住宅は安心です。時間やコストは一般住宅に比べて増えますが、長期的にみるとメリットはたくさんあります。ただ基準を満たすだけでなく、暮らしやすい工夫やアイデアの提案も欠かせません。
あまや製材では、お客様おひとりおひとりの生活状況からさまざまなご提案をし、ライフスタイルに合った住宅の提供に積極的に取り組んでまいります。

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