福井県大野市で、地域に根差した家づくりを行うあまや製材です。
「家にコウモリが住み着いていて困っている」というご相談をいただくことがあります。
コウモリと聞くと山奥を想像するかもしれませんが、実は日本には様々な種類がいて、都市部や一般住宅に住み着く種類もいるんです。
日本に多いコウモリの種類
日本に生息するコウモリでよく目にするのは「アブラコウモリ」という種類です。家に住み着く習性を持っているため、「イエコウモリ」とも呼ばれています。

アブラコウモリは、その小さな体が特徴的です。体長は4~6cm、体重は10g未満と軽量で小さいため、2cmほどの隙間さえあればどこでも侵入することが可能です。暗くて狭い、温度が安定している場所を好むため、屋根裏や換気口などはアブラコウモリにとって最高のねぐらとなるわけです。
コウモリが住み着いているかも?主なサインとは
ご自宅で以下のような兆候が見られたら、コウモリが潜んでいる可能性が高いです。
1.黒い粒状のフンを発見する
最も分かりやすいサインがフンです。ベランダ、窓枠、エアコンの室外機付近など、コウモリの出入り口に集中して落ちています。フンは米粒大ほどの大きさで、黒く細長い粒状。ネズミのフンと似ていますが、コウモリのフンは乾燥していて、軽くつまむとポロポロと崩れやすいのが特徴です。
2.天井裏や壁の中から「音」が聞こえる
「キーキー」「チーチー」といった甲高く小さな鳴き声が聞こえたり、「カサカサ」「バタバタ」といった、引っ搔くような音や羽ばたくような音が聞こえる場合は、コウモリのサインかもしれません。
3.外壁や軒天に「黒ずみ」や「シミ」がある
コウモリが繰り返し出入りすることで建物の外側に糞尿による黒ずんだ汚れが付着することがあります。また白っぽく筋状ににじんだような汚れはコウモリの尿の跡かもしれません。
住宅への主な侵入経路
コウモリは、天敵から身を守れ雨風をしのげる静かで暗い場所を好みます。
2cm程度の隙間があれば、容易に侵入することが出来るので、家屋のわずかな隙間が狙われやすくなります。
1.瓦屋根・軒天の隙間 瓦の重なりや、屋根と外壁の接合部にあるわずかな隙間から屋根裏に侵入します。
2.換気口・通気口 外壁に設置されている換気口や通気口のカバーの隙間等から侵入します。
3.エアコンの配管の隙間 エアコンの配管を外壁に通す穴に隙間ができていると、侵入口になります。
4.外壁のひび割れ 外壁の小さなひび割れや、経年劣化によるわずかな隙間からも侵入します。
実際にあったケース
「2階のエアコン近くに、コウモリのフンらしきものが落ちていることがある」お客様からのご相談でした。
エアコンの周りを重点的に点検したところ、エアコンの配管を壁に通すための穴の隙間が空いていました。
実は弊社が気密調査を導入し始めたのは2017年からです。
このお家を建てた当時は、エアコンの配管まわりを埋める工事が不十分でした。
写真の通り、配管が通る穴の周囲に大きな隙間が残っており、コウモリはここから侵入したと考えられます。


まずは、エアコンの内部にコウモリが潜んでいないことを確認し、配管周りの隙間を埋めるパテでしっかりと塞ぎました。このお家のエアコン3台分全ての配管周りを塞ぎ、コウモリが侵入できないように対策を行いました。


これでコウモリが再び侵入する心配は無くなり、安心してお過ごしいただけます!
自分でコウモリを捕獲してはいけません!
コウモリは「鳥獣保護管理法」という法律によって保護されている野生動物です。
捕獲するには国や自治体の許可が必要です。
そのため自分で捕まえたり駆除したりする行為は法律違反になってしまいます。
対策は「追い出し」と「侵入経路の完全封鎖」
捕獲が禁止されているとはいえ、コウモリを放置しておくことはできませんよね。野生のコウモリは菌やウイルスを持っていることがあるため、感染症リスクなども考えられます。
そのため、私たちがコウモリ被害に対して行う根本的な対策は以下の2つです。
1.追い出し コウモリが活動を開始する日没後を見計らい、家から追い出す。
2.侵入口を完全封鎖 コウモリの侵入できる1~2cmのわずかな隙間も残さないよう、家全体の隙間を徹底的に塞ぎます。
コウモリは帰巣本能が強く、一度ねぐらにした場所には何度でも戻ろうとします。
だからこそ、追い出したあとの隙間をゼロにする封鎖作業が何よりも重要なのです。
コウモリや動物被害に関するご相談も、お気軽にお問い合わせください。
お客様がいつまでも安心してお過ごしいただけるよう、大切なお住まいをお守りします。