レジリエンス住宅とは暮らしを守る「強靭性」を3つの視点で考える
日本では大きな地震のたびに転機が訪れてきました。東日本大震災や熊本地震等の大きな震災に見舞われ、地球規模の気候変動による大型台風や洪水、強風、豪雨、豪雪などの被害も数多く報告されるようになりました。暮らしを守る住まいやライフラインにもリスクが高まり、安全に対する意識は変わりつつあります。
平成26年よりレジリエンス住宅の推進が始まりました。災害に対する備えについて調査しようと思っていた矢先のことでしたので、今回はレジリエンス住宅についてのご説明です。
聞きなれない「レジリエンス」という言葉ですが、「強靭性」という意味です。国では今後、災害時に生き残ることを方針として、住宅だけでなく、エネルギーやインフラ、交通、情報通信、産業、医療等多岐にわたり、レジリエンス(国土強靭化)を進めていくそうです。住まいのレジリエンスは、大きく分けて3つに分かれます。
普段の健康・安全を高める「免疫力」です。
- 普段、健康被害や事故は起きにくくなっているか?
- 省エネルギーな住まいとなっているか?
ここでは住宅のランニングコストも重要ですが、スマートウエルネスでも取り組んでいる「健康であること」が最も重要ではないかと考えます。近畿大学・岩前教授が仰っているには、
- 部屋温度が上がると血圧が下がる
- 暖かい部屋で寝ることは健康にとって重要
- 居間の部屋温度が低いと浴室の湯温が上がりヒートショックリスクが上がる
健康に対する維持コスト(医療費)も考慮の上、断熱性の高い住宅が求められます。
災害発生時に命を護る「土壇場力」です。
- 災害のリスクを把握しているか?
- 自らの命を護る行動のための備えができているか?
- 災害が発生した時に住まい手の命を護り、建物そのものの被害を抑え復興しやすい住まいになっているか?
まず注力すべきは耐震性です。耐震等級はもちろん、施工精度も大きく関わります。真面目にひとつずつチェックしている項目が、有事には大きく関わってきます。家具の転倒防止の工夫等もチェックしましょう。
災害は水害、風害等、何が起こるか分からないものですが、それぞれに事前に対処すべき事項があります。たとえば豪雨水害などでは、
- 太陽光パネルに触らない。あわてて電気を使わない。
- マスクと安全靴等の着用の用意等々。
ご家族同士の安否確認方法、避難場所の確認、非常用持出バッグ等の準備も必要です。
災害後の生活を支える「サバイバル力」です。
- 災害後、インフラ等の地域の機能が回復するまで、また生活支援が得られるまでの数日間、自活可能な住まいとなっているか?
災害でライフラインが止まっても平常に近い生活を続けるには、水、食料、電力等の自給と省エネルギー性能が重要です。近年のスマートハウスでは、太陽光で創エネし蓄電池で蓄電するのが主流です。蓄電池の性能は最大で6キロ程度となります。
その他にも有効な手法としては、
- 充電能力(16キロ前後)の高い電気自動車を蓄電池として利用する
- LPガスを利用し発電するコージェネレーション給湯器
- 薪を使って暖房・調理のできる薪ストーブ
等が考えられますが、いずれも大きな初期コストが発生します。災害後においても、断熱性の高い住宅の価値は非常に高くなります。