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機能性とデザイン性を両立させた理想の空間 福井県大野市・㈱あまや製材

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〒912-0021 福井県大野市中野3-8-1

H邸ガレージ兼農作業小屋工事 施工事例詳細House with soil storage


計画概要

2023新築した住宅の北側に、ガレージ兼農作業小屋を増築しました。
住宅との行き来がしやすく、かつプライバシーも守れるよう、建物の配置を工夫しました。
小屋裏を一部収納スペースとして活用しており、窓があるため明るく、使い勝手も抜群です。
外壁には耐力面材を使用し、丈夫で安全な小屋に仕上げました。
福井県では、ガレージの建築に関する規制が比較的厳しく、この点について、詳しくご説明します。

施工前の店舗部の様子1

物件仕様

農作業小屋面積 28.25 ㎡
ガレージ面積 30.95 ㎡
カーポート面積 18.98 ㎡
外置き面積 4.03 ㎡
自動車車庫の合計面積 49.93 ㎡ 
全体面積 82.21 ㎡


1.外観・内観について

住居と同じ外壁材を使用し、一体感のある外観に仕上げました。
住居の出入り口近くに配置することで、行き来がスムーズです。
シャッターを4カ所設置し、ガレージ内を通り抜けられるようにしました。
住居と車庫の間には約8mのスペースを確保し、BBQや洗濯物を干すなど、
プライバシーを守りながら様々な用途で活用できる空間となっています。
コンクリート土間の施工では、水勾配を2%確保するために、中央に浸透スリットを設置する工夫を行いました。
このスリットにより、雨水がスムーズに排水され、水たまりができないようになっています。
(※水勾配とは、雨水がたまるのを防ぐための傾きのことで、一般的には2~3%が推奨されています。)

  • 建物正面
建物正面

  • 建物背面は少し明るい外壁材です
建物背面は少し明るい様子

  • 浸透スリット
浸透スリット

  • 土間コンクリート施工の様子
土間コンクリート施工の様子

建物の外壁には、火災に強い耐力面材を採用することで、構造的な強度を確保しました。
万が一火災が発生した場合に備え、外壁内に断熱材としても機能するロックウールを充填し、
延焼を防止する対策を施しています。
屋根は南向きに設計し、太陽光を効率よく受けられるため、冬季に屋根上に積もった雪も溶けやすく、
雪下ろしなどの手間を軽減できます。


  • 防火上も有効な耐力面材
防火上も有効な耐力面材

  • 外壁内にロックウールを充填
外壁内にロックウールを充填

一部の小屋裏空間を荷物置き場として有効活用するため、天井高を2.4mと確保し、
自然光を取り込むための窓を設置しました。
床材には、耐久性が高く、土足での利用にも適したウレタン塗装を施したコンクリート用型枠合板を採用しました。
土足で利用できるように床はコンクリート用型枠合板をウレタン塗装したものを使い、積層材利用の露出階段を設置しました。
また、大工さんの手仕事による積層材の露出階段を設置することで、収納入口をより魅力的な空間に仕上げました。


  • 収納入口の露出階段
収納入口の露出階段

  • 収納内部
収納内部



2.車庫の規制について

福井県では、車庫の建築に関する規制が比較的厳しく、押さえておきたい、いくつかの注意点があります。
・前面空地: 車庫の出入り口前には、車両の出し入れがスムーズに行えるよう、
 幅1m以上の空地を確保することが義務付けられています。
・自動車の出入口 面積が50㎡を超える車庫の出入口は、狭い道路等に面した場所への設置が制限されています。
 具体的には、幅6m以下の道路や、交差点から5m以内の道路に面した場所への設置は禁止されています。
・他の用途部分との区画 車庫と他の部屋の間の壁は準耐火構造とし、
 ドアなどの建具も防火性能を満たす必要があります。

  • 道路境界から出入口距離 有効1m以上確保
道路境界から出入口距離

  • 準耐火構造とすべき壁
準耐火構造とすべき壁



福井県建築基準条例抜粋
第3節 自動車の車庫および修理工場
(自動車の出入口)
第9 条 自動車の車庫(消防の用に供する自動車の車庫および床面積の合計が50平方メートル以下の自動車の車庫を除く。)
および修理工場の敷地の自動車の出入口は、次の各号のいずれかに該当する道路に面して設けてはならない。
一 幅員6メートル未満の道路
二 道路上に設ける電車停留所、引返し場、安全地帯、横断歩道もしくは橋詰めまたは踏切から10メートル以内の道路
三 道路の交差点または曲がり角から5メートル以内の道路
四 小学校、幼稚園その他これらに類するものの出入口から20メートル以内の道路 (平30条例19・平30条例37・一部改正)
(平30条例19・平30条例37・一部改正)

(前面空地)
第10 条 自動車の車庫および修理工場の自動車の出入口の前面には奥行1メートル以上の空地を設けなければならない。

(上階を有する車庫等の構造)
第11 条 その用途に供する部分の床面積が100平方メートルを超える自動車の車庫および修理工場で、
直上階の床面積が100平方メートルを超えるものまたは直上に2以上の階があるものは、
その用途に供する部分を耐火構造とし、その他の部分との区画の開口部には特定防火設備を設けなければならない。
(平13条例29・一部改正)

(他の用途部分との区画)
第 12 条 前条に規定する場合を除くほか、建築物の一部に自動車の車庫または修理工場を設ける場合は、
その部分とその他の部分とを、準耐火構造とした壁または法第2条第9 号の2ロに規定する防火設備
(以下「防火設備」という。)で区画しなければならない。
(平5条例22・一部改正、平13条例29・一部改正)
第3節 自動車の車庫および修理工場



3.ブロック塀の基準にも注意を

ブロック塀は、建築基準法で規制されている構造物です。
高さや構造が基準を満たしていないブロック塀は、地震や強風などの自然災害時に倒壊する危険性が高く、
人身事故につながる恐れがあります。
コストを考慮し、基礎は鉄筋コンクリート製、ブロック塀の高さは1.2m以下をお勧めします。
1.2mを超える場合は、一定の間隔で控え壁を設置するなど、倒壊防止のための措置を講じる必要があります。

  • 根入れのある鉄筋コンクリート基礎
根入れのある鉄筋コンクリート基礎

  • 高さ1.2m以下のブロック塀を新設
高さ1.2m以下のブロック塀を新設

今回は、既存のブロック塀の高さが1.2mを超えていたため、安全性を確保するために控え壁を増設し、
さらに補強金物を設置して倒壊防止対策を強化しました。


  • 一定の間隔で控え壁を設置
一定の間隔で控え壁を設置

  • 金物を利用して既存塀と控え壁を緊結
金物を利用して既存塀と控え壁を緊結

動画解説