窓開けによる風通しを良くする目的は『換気』と『涼感』を得るためとなります。
自然に囲まれ、夜間の外気温が比較的低い大野市では、
室内の熱を排出させ、風を感じる『涼感』のメリットが比較的高いのではないでしょうか?
出来るだけ、エアコンに頼らずに夏をしのげるとありがたいです。
本日は 窓開けによる風通しついてお話ししたいと思います。
通風計画において『いつ、どこから風が吹くか?』は重要です。
風は気まぐれですので日射の様に確定はしずらいのですが、
気象庁のホームページで、過去データーを確認することが出来ます。
2015年から2020年までの大野市のデーターを調べてみました。
特に涼感を得たいのは夏の暑さを感じる時期となります。
6月から9月頃の風向きは南東方向から吹いているのが多いようです。
何となく南北通風と言われる訳が分かる気がします。
原則として、風は気圧が高い方(温度低い)から低い方(温度高い)に吹くので、
盆地の大野市では、山から下りてくる風も考慮しておきたいところです。
但し、風速や風向きは一定ではありませんので、
どこから風が吹いても一定の通風量が確保できるようにしておくことも大切です。
通風には入口と出口が必要です。
風は基本、まっすぐに進みますが、何かにぶつかれば向きを変えますので、
部屋のいずれかの2面に窓があれば風は流れます。
複数の部屋に風を通す場合には、間仕切りにランマや、
開け放しに出来る建具を付ける事が有効です。
暖かい空気は上昇するという煙突効果を利用することは効果的です。
最上階の出来るだけ高い位置に高窓を設ければ、天井付近に溜まった熱を排出することが出来ます。
階段や吹抜けなどがあれば、一階から二階へ風を通す『立体通風』を取ることも可能です。
別階への風は同じ面にある窓の間にも流れる性質があります。
外壁に平行に吹く風を捕まえるウインドキャッチという手法も効果があります。
縦辷り出し窓の開き方で風向きと平行な外壁面からも風を取り込む事が可能です。
この窓の有利なことは大きくしすぎないでも通風量が確保しやすいという点です。
ウインドキャッチは窓だけでなく袖壁を設ける手法もあります。
通風の面でいえば窓は大きい方が有利ですが断熱・日射の面からは必ずしもそうではありません。
夏と冬とでは条件が逆になるので大事なのは『バランス』となります。
バランスを良くするには膨大な調査、計算が必要となります。
シュミレーションソフトの重要性がいよいよ増してくると感じています。
ここまで窓の話を3回させていただきましたが、
窓が住宅に与える影響が大きいことが少しでも伝わりましたでしょうか?
今回で一旦、窓の話はお休みさせていただいて次回は別の話題でお会いする予定です。