改正建築物省エネ法とは説明義務制度の4つのステップと断熱診断の比較例(2020年10月時点)
国土交通省から重要なお知らせが届きました。「改正建築物省エネ法が、令和3年4月に全面施行となります」ということです。このような改正の場合、全国的な説明会が開かれるのが一般的ですが、当時は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、オンライン講座が開かれていました。今回の改正法について、あまや製材でもオンライン講習を受講しましたので、できるだけ分かりやすくご説明します。
※本記事は2020年10月時点の情報です。建築物省エネ法はその後も改正が続いており、2025年4月からは原則すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務化されています。最新の基準については当社までお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2020年公開時点の情報です。その後の制度改正や仕様の変更により、現在の内容と異なる場合がございます。
改正の背景には、2015年にパリで行われた温室効果ガス削減に関する国際的な取り決め「パリ協定」があります。国として、新築の住宅・建築物におけるエネルギーを大きく削減しなければならない状況です。特に新築住宅において、省エネ基準への適合率は悪く、全体の約40%程度が適合していないようです。原因のひとつとして、中小工務店や建築士が外皮計算や省エネ計算を行えないことが挙げられています。適合すべき省エネ基準はそれほど高いものではなく、高断熱を売りにする建設会社が増えてきた印象があったので、少し意外でした。
ちなみに、適合すべき基準はH28年度基準となり、福井県大野市の5地域では、外皮性能UA値を0.87以下に抑えることとなっています。先日、弊社がお引き渡しした「塗り壁の家」はUA値0.46でしたので、これと比較すると熱損失量の違いは25%となります。下記の「絵で見る断熱診断書」を参考にしてください。
今回の制度の大きなポイントは、現行制度の適合義務対象が「2000㎡以上の大規模な住宅以外の建築物」であったのに対し、対象が「300㎡以上の中規模な住宅以外の建築物」となった点です。住宅についても300㎡以上のものは届出義務対象となりますが、300㎡を超えない一般の住宅については、省エネ基準への適否等の説明を行う義務にとどまりました。弊社は住宅をメインとしているので、住宅に関して言えばほとんど変わっていません。当初は、住宅についても適合義務とする予定で進んでいた制度でしたが、見送られました。建築士は建築主に対して省エネ基準に適合させるかどうかの意思確認を行い、省エネ性能評価結果の説明を行うという制度になります。
説明義務制度の4つのステップ
- STEP1 情報提供:建築士が建築主へ情報を提供し、省エネ意識の向上を図ります。
- STEP2 建築主の意思確認:建築士が意思確認を行い、意思表明書面を保存します(評価・説明が不要との意思表明があった場合に限る)。
- STEP3 省エネ性能の評価:建築士が省エネ性能を評価します。
- STEP4 評価結果の説明:建築士が評価結果を説明し、説明書面の写しを保存します。建築主は説明書面を受領します。
なにはともあれ、改正建築物省エネ法は令和3年4月から始まりました。他にも省エネ住宅推進のための措置として、地域型住宅グリーン化事業・サステナブル建築物等先導事業・ローン減税、不動産取得税などの優遇措置・贈与税の非課税措置等があります。これも良い機会として、施主様にはこれまで以上に省エネ性能の必要性や効果を説明し、少しでも資産価値の高い住宅を建てていきたいと思います。