断熱性等級7の家 付加断熱工事

断熱性等級7の家 付加断熱工事

耐震等級3・断熱性等級7の家 途中経過のご報告です。

2022年10月に新設された断熱性等級7。現在の最高等級となります。
弊社としては初となるこの、断熱性等級7に挑みます!今回はその必須工事となる付加断熱工事の様子をお伝えします。

そもそも断熱性等級とは?

正式名称は「断熱等性能等級」と言い、住宅の断熱性能がどのくらいかを示す指標です。
等級は1~7の7段階あり、数字が大きいほど断熱性が高いことになります。

断熱性等級は、外皮平均熱貫流率=UA値が定められています。
これは住宅全体の熱がどれくらい外に逃げやすいかを表す数値です。「逃げやすさ」なので、数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性が高いということになります。

日本は地域によって気温や気候が大きく異なるため、国内を気象条件によって1~8つの地域に区分し、それぞれの建設地に合わせてUA値の基準が設けられています。大野市はこの区分で分けると5地域に該当します。

現在、断熱等級5以上がZEH基準となり長期優良住宅に認定されます。

付加断熱とは

これまで弊社では、断熱性等級6を標準仕様としてきました。
UA値は等級6で0.46、等級7では0.26になります。
0.46と0.26では大きな差があり、UA値を0.26にもっていくには、これまでの内側の断熱に加えて外側への断熱が必要になります。これを付加断熱といいます。

充填断熱じゅうてんだんねつ熱橋ねっきょう

内側の断熱である「充填断熱工法」とは、柱と柱の間に断熱材を埋め込むように施行する工法です。施行がしやすくコストも抑えられるため、多くの住宅で採用されています。
ただし弱点もあり、この充填断熱では、柱などの家の構造材(骨組み)がある部分には断熱材が入れられないので、この部分から室内の熱が外に逃げてしまうのです。
木材は断熱材より熱伝導率が高く、熱が伝わりやすいです。
この、木材に熱が伝わってしまう現象のことを熱橋またはヒートブリッジと呼びます。

これは住宅内部をサーモカメラで撮影した様子です。

床下や壁の柱は色が変わっていることが分かります。この部分が熱橋となり熱を外に伝えてしまいます。木材が熱を通す橋のようになっていることからヒートブリッジとも言います。

この熱橋によって熱が損失してしまうのを防ぐ手段として付加断熱を行います。
付加断熱は断熱材を柱や梁の外側の壁全体に張るため、家をすっぽり囲うことが出来ます。今まで柱や梁などで断熱材を入れられなかった部分もカバーできるので熱橋による欠損部分を無くすことができ断熱性能があがります。

これまでの充填断熱に加えて、外側にも断熱材を張るので、例えるならヒートテックのインナーに更にダウンジャケットを羽織ったような最強の組み合わせになります!

付加断熱材をカットしている様子です。
扱いやすい製品だと大工さん教えてくれました。
断熱材の厚みは66mm。

付加断熱だけでは弱い…

さて、ここまで付加断熱で断熱性能アップとお伝えしてきましたが、実は付加断熱を施行するだけでは断熱等級7にすることは難しいです。
熱橋となるのは柱や梁だけでなく、『開口部』つまり窓やドアも熱を通す出入口となります。


窓のサッシ部分は温度が低く、熱が逃げて行ってるのが分かります。

断熱性能を高くするには、窓も機能性の良いものを選ぶ必要があります。

南側の窓には日射を室内に取り込むために日射取得型の窓を、反対に西・北・東には日射を遮るために日射遮蔽型の窓を取り付けます。
さらにサッシは熱が伝わりにくい樹脂サッシを使うことでさらに断熱性能が上がります。アルミのサッシと違い熱を通しにくいのでサッシ表面も冷えづらく、カビやダニの原因となる結露を軽減できます。


こちらは南面につく窓で日射取得型窓です。
とっても大きな窓です!隣の社長と比べるとその大きさがよく分かります。

西・北・東につく窓です。
こちらは日射遮蔽型窓です。色がうっすらブルーになっています。

断熱性等級7にするには付加断熱高性能窓の取り付けも必要になってきます。

今回は、付加断熱工程の様子をお伝えしました。
断熱性能は大きく変化していて、これまで最高等級であった等級4は2025年には標準となり、最低の水準となります。以前より等級4のレベルでは断熱性能は不十分であると言われてきました。これから建てる家は等級6以上が望ましいです。


唯一のデメリットとしてはコストがかかることでしょうか。
それも床暖房や大きなエアコンを設置して10年に一度のメンテナンス費を考えると、付加断熱は交換の必要がないのでコスパが良いといえます!
付加断熱に興味があり、快適性を重視される場合はぜひおすすめです。

付加断熱の厚みを変えたりすることで、等級7まではいかずとも近づけることが可能ですので、予算的にご心配という方も、一度ご相談いただければと思います。
弊社ではさまざまなご提案をさせていただいております。