昨年より全棟気密測定を開始、本年8月27日に職人さん向けの気密講習会を行いました。
断熱材の性能を発揮し、計画的な換気を可能にする気密性能の重要性を実際に施工する
職人さんにも理解していただく狙いでした。
その後の現場を見ていると職人さん同士が競い合って気密施工をしているのが分かります
先日行った桁上断熱施工も気密化への意識向上に少なからず影響しています。
防湿気密シートの役目
繊維系の断熱材は通気性があるので温度変化や風の圧力差で湿気が侵入する恐れがあります。
気密シートはこの湿気の侵入を減少させる役目があります。断熱層の室内側に防湿気密層を
すき間なく施工することが高気密住宅にとって重要です。なぜなら長い年月躯体を乾燥状態に
保つことが住宅を長持ちさせる秘訣だからです。
気密シート同士の継ぎ手にも気密テープを隙間なく施工している様子が分かります。
間柱上部の隙間は最も気流の起こりやすい場所となります。
桁上断熱では不要となりますが、間柱上部の気流止め施工も入念に行っていました。
見落としがちなのが外壁側コンセントやスイッチボックスです.
ここにもバリアボックスを丁寧に施工してあります。
窓廻りの透湿シートを窓アングルまで伸ばし気密テープ固定します。
通気層の役目
壁・小屋裏内部への湿気の侵入を完全に防ぐことは非常に困難です。
この侵入した湿気を防ぐには断熱材の外側に通気層を設ける事が必要です。
通気層は断熱層内に侵入した湿気を速やかに外部に放出し内部結露を防ぐ役割を持ちます。
他にも外気との気圧を同じに保ち、暴風雨時における壁への雨水の侵入を最小限に抑える効果
夏の日照時に通気層の通風によって壁の温度上昇を抑える効果もあります。
小屋裏換気の動力は自然の風力と上下の温度差を利用したパッシブなものとなります。
棟換気部材が最も好ましいといえます。積層プラスチックのハニカム素材を利用した棟換気を利用しています。
この現場は準防火地域でしたので、軒先通気金物や軒天換気金物を利用し
淀みのない通気も可能となります。