施工中物件の塗り壁の家には外壁にデラクリートセメントボードシステムを採用しています。
良い機会ですので、このシステムを紹介します。
従来の塗り壁外壁との違い
塗り壁外壁には、左官職人の手仕事による風合いやしっとり感等、独特な魅力があります。
今回は下部に石貼を組み合わせるので、より有機的な外観になると思います。
従来の塗り壁下地といえば外壁に直接黒い防水シートを貼り、ラス網をタッカー留めし
モルタルを2~3回に分けて塗り付けるモルタル工法が主流でしたが、現場施工が多く
天候や温度に施工が左右され、時間が掛かり、外壁通気が取れないため
外壁内部に内部結露を引き起こす可能性が問題点でした。
今回採用した
デラクリートセメントボードシステムの施工の流れは下記の通りです
1.両面に繊維ネットを埋め込んで補強したセメント系ボードを
通気胴縁の上に施工します。横張りで千鳥状が基本です。
2.ジョイント部ををガラス繊維テープで補強し、クラックを低減します。
3.ベースコートモルタルを薄く塗りつけて下地調整を行います。
4.フィニッシュ部材を施工します
メリットとしては外壁通気工法に対応し、壁体内結露の防止につながります。
また、防火構造や準耐火構造などの国土交通省認定を取得しています。
外壁の耐力面材に、標準的には防火性能もあるダイライトを採用していますが
防火性能を担保できるのでノボパンSTPⅡを採用しました。
これにより外壁の壁倍率(壁の強さ)が若干アップします。
ベルアートFについて
ベースコートモルタルの上にはシーラー処理が必要です
下地面とフィニッシュ部材の密着性を高めることで劣化を防ぐ為です。
今回のフィニッシュ部材には耐久性の高いベルアートFを採用しました。
対候性に優れる特殊フッ素樹脂の採用で塗膜劣化を抑制する材料です。
これに寒水石5厘と1厘を混ぜて左官仕上げとします。
左官職人と打合せを行い、出来るだけコテを立てず平滑に仕上げる予定です。
付梁下には天然石を積み上げたような素材感のロックパイルズを採用して
ダイナミックな仕上げとなる予定です。
フィニッシュ部材が搬入され完成が楽しみです。