2022年度施工の新築物件の施主様から、採用しているダクトレス3種換気システムに不具合があるとのお問い合わせがありました
施主様は、「いつもではないが、排気すべき排気グリルから風が入ってくる時がある」とのことでした。
換気システム「ルフロ」は、最大排気量が490㎥/hと大風量であり、逆流は通常あり得ないはずですが…
直ぐにメーカー点検を行いました
対象物件の性能値
対象物件は2022年11月引渡し、施工延床面積は51.41坪の二世帯住宅で、
外皮平均熱還流率(UA値)は0.42W/㎡・K、相当隙間面積測定結果(C値)は0.2㎠/㎡で、気密性能が高い住宅でした。
また、二世帯住宅であるため、キッチンには二台のレンジフードがありました。
採用しているレンジフードは、オイルスマッシャータイプで、
高速回転するディスクまでで90%の油をキャッチするものでした。
最大風速が一台当たり420㎥/hで、通常の換気扇と比べて排気量が5倍程度あります。
あれ?換気システムと同等ですね
気密性の高い家になると、使用中は家の中が負圧になり、ドアが開きにくくなったり、
給気口から外気がたくさん入ってきたり、他の換気扇と空気の引っ張り合いを起こすことがあります。
換気システムの誤った使用方法
調べてみたところ、換気システムの運転レベル設定値が3.5であったのに対して、実際には1.5に設定されていました。
また、空気の取り込み口である給気口が全て閉じられていたため、
レンジフード二台を同時使用した際に、換気システムが負けてしまい、排気グリルから逆流が起こっていました。
施主様に説明を行い、給気口を開放し、運転レベルを3.5に変更することで、
レンジフードを同時使用しても換気システムが正常に作動することが確認されました。
断熱・気密性能の高い住宅の場合には住まい方にも気を付けるべき点がありますので
今後とも知識をブラッシュアップしていこうと思います