長期優良住宅と比較される認定住宅として低炭素住宅があげられます。
東日本大震災後、家庭から排出される温室効果ガスを減らす住宅が求められています。
低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出量が少なく、省エネルギー性能の高い住宅の事で
【都市の低炭素化の促進に関する法律】に基づき認定を受ける必要があります。
1.認定住宅の主な認定基準
低炭素住宅の認定基準は断熱性能と石油、石炭、水力などの一次エネルギーの削減量になります。
また、市街化区域内に建てられる建築物が対象となります。
①省エネルギー基準を超える省エネルギー性能を持つ事、
かつ低炭素化に資する措置を講じている事
②都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針に照らし合わせて適切である事
③資金計画が適切である事
認定を受けるにはまず下記の必須項目〇を満たす必要があります。
A.外皮の熱性能
〇外皮平均熱貫流率(UA値)が基準値以下
※福井県での基準値は0.87W/(㎡K)
〇冷房機の平均日射熱取得率(ηA値)が基準値以下
※福井県での基準値は 3
B.一次エネルギー消費量
〇省エネ法で定める省エネ基準(平成25年)の一次エネルギー消費量から10%以上削減
※一次エネルギー消費量とは通常利用している電気・灯油・ガス等(二次エネルギー)を得るための
化石・原子力・水力・太陽光等の自然エネルギーに換算したものです。
そのうえで、下記の選択的項目☆から2つ以上を選択して実施する必要があります。
A.節水対策 下記のいずれか
☆節水に資する機器を設置
・節水トイレの設置
・節水水栓の設置
・食器洗浄機の設置
☆雨水、井戸水または雑排水利用
B.エネルギーマネジメント 下記のいずれか
☆HEMSまたはBEMSを設置
☆太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電設備及びそれと連携した定着型の蓄電池を設置
C.ヒートアイランド対策
☆一定のヒートアイランド対策を講じている
・緑地または水面の面積が敷地面積の10%以上
・日射反射率の高い舗装の面積が敷地面積の10%以上
・緑化を行うまたは日射反射率等の高い屋根材を使用する面積が屋根面積の10%以上
・壁面緑化を行う面積が外壁面積の10%以上
D.建築物(躯体)の低炭素化 下記のいずれか
☆住宅の劣化の軽減に資する措置を講じている
☆木造住宅もしくは木造建築物である
☆高炉セメントまたはフライアッシュセメントを構造耐力上主要な部分に使用している
また、建設地が市街化区域等(用途地域が定められた地域)に限定されます。
2.低炭素住宅(新築)のメリット
長期優良住宅は上記の認定基準を満たす必要がある為、新築された住まいの
ランニングコストが長年に渡り減少することが最大のメリットです。
長期優良住宅に比べ申請は比較的簡単です。
それでは、その他の減税効果や補助金などのメリットをご紹介します。
①税の特例措置 控除額の引上げ・税率引下げ
H30.3.31までに入居した場合
A.登録免許税 税率引下げ
保存登記 0.15% → 0.1%
移転登記 戸建 0.3% → 0.2%
B.不動産取得税 控除額の増額
控除額1200万円 → 1300万円
C.住宅ローン減税 限度額の引上げ
消費税8%時
控除対象借入限度額 2000万 → 3000万
最大控除額 200万 → 300万
年間控除額 20万 → 30万
消費税10%時(H33.12.31まで)
控除対象借入限度額 4000万 → 5000万
最大控除額 400万 → 500万
年間控除額 40万 → 50万
D.投資型減税
H26.4月~H33年12月
標準的な性能強化費相額(上限650万円)の10%をその年の所得税額から控除
ex.掛かり増し費用(木造)33000円×床面積×10%
②フラット住宅ローン金利引き下げ
A.フラット35S 金利Aプラン
借入金利当初10年間、年0.3%引下げ
③容積率の緩和
低炭素化に資する設備について1/20を限度に容積率算定時の延床面積に算入されません
④地域グリーン化事業
地域の中小工務店が整備するグループ枠内での補助金対象となります。