2015年弊社で新築したK様より連絡があり、物干しルームの増築の依頼がありました
K様邸にはクロゼットにつながる2.25帖の洗濯物干し室を提案施工したのですが
育ち盛りの三人のお子様がいるので物干しスペースが足りないとの事でした。
設計打合せの中で、物干しスペースは必ずと言っていいほど議題に上がります。
かくも多くの奥様?若しくは ご主人様は、毎日、洗濯物と戦っているのですね。
今回の事例は、今後の設計指針にも大きく関わる事例であるのでご報告いたします。
ガス乾燥機の提案
K様邸はガス給湯器併用のハイブリッド給湯システムを採用してます。
イメージとしては電気ヒートポンプエコキュートにガス給湯器が付いた感じで、
暖房器具の熱源としても利用できるメリットがあります。
そこで、物干しスペースの増築の代わりにガス乾燥機の提案をしてみました。
ガス乾燥機の乾太くん(カンタクン)
https://rinnai.jp/products/sanitary/laundry_dryer/
メカに出来るだけ頼らないという、いつもの提案とは違い、メカに頼りましょうという提案です。
理由はいくつかあります。
1.増築には割高なコストが掛かり、防水・断熱・気密上のリスクが高まる。
2.原則、確認申請が必要であり疎かにすると違法建築物となる可能性がある
3.ガス乾燥機は建物の躯体と切り離されるものであり交換が容易である
4.長い目で見れば、コインランドリーよりも割安である
5.その他、乾燥機の性能上のメリットについてはカタログなどをご確認ください。
施主様はガス乾燥機設置に同意いただきましたが、
施工の段取りをするにあたり、いくつか対処すべき問題点がありました。
ガス乾燥機設置上の問題点
施主様は、少しでも綺麗な納まりを…と、注文されました。
現況としては洗濯機給水管が土台を欠損させないための設備壁があり、
配管膳板が突き出た形の為、専用架台の設置はしづらい状況です。
その他、設置上の問題点は以下の内容です。
1.床下からガス配管・電気コンセントをどう上までつなぐか?
2.ガスの排気塔をどのように設置するか?
3.乾燥機をどこに設置するか?
現場監理の洋介君と相談して、上記を解消して設置した完成形がこちらです
先ずは設備壁部分に手の入るくらいの点検口を付けて設備壁内部にガス管と電気配線を通して
ガスコックと1口コンセントを膳板上に付けました。
次に天井点検口を付けて乾燥機上から排気塔を外部に接続
膳板部分にカウンターを継ぎ手加工して出幅250㎜から650㎜に加工しました
そのままではカウンターが乾燥機を支えられないので吊ボルトで支える形にしました
普段隠れている部分に点検口を設置することで解体を出来るだけ行わずに
もともとあったかのような綺麗な仕上がりになりました。
埃や廃材も出なかったので良い仕事したなあといった感想です。
本日のまとめ
洗濯物干しを大きくしたいというご要望は非常に多く、プランニングをするうえで
ネックポイントとなるケースが多いです。
今回の様に物干しスペースの代わりに、ガス乾燥機を導入することは
普段過ごすLDK等のスペースを大きくとることが出来るようにもなるので
選択肢の一つとしても良いのではないでしょうか?
機器の導入費用は安いものではありませんが
建物の躯体と一体化したものではないので交換の際のコストは割安です