足場設置における新ルールが始まります

厚生労働省では、足場に関する法定の墜落防止措置を定める労働安全衛生規則を改正し、

足場からの墜落防止措置を強化しました。

これは、足場での作業中の事故(落下や作業員の転落など)が非常に多いため、

減らしていこうという法改正です。令和6年4月1日から施行されます。

主な改正は3つです。

①一側足場の使用範囲が明確化されます

②足場の点検時には点検者の指名が必要になります

③足場の組立て等の後の点検者の氏名の記録・保存が必要になります

②③については令和5年10月1日より施行されています。

①の一側足場の使用範囲が明確化というのはどういうことかと言うと、「一側足場」というのは、足場の構造の一種で

片側にだけ支柱があり、一本の支柱にブラケット(固定金具)を取り付けてその上に作業台を並べて作る足場を指します。

この一側足場からの墜落、転落事故が減らないことを踏まえ、原則として幅が1m以上の箇所に足場を設置するときは、

本足場を使用することが義務付けられます。

本足場は二側足場とも呼ばれ支柱を内側にも設け、内側・外側の2本を建ててその間に作業台を並べて作る足場を言います。

一側足場と比べて支柱が2本になるので強度が増し、頑丈になります。また比較的広い面を確保できるのも特徴です。

手すりの設置も可能なため、安全性や作業性も一側足場よりも優れています。

ただ、この本足場を組むには費用がこれまでより多くかかってきます。

内側にも支柱を建てるため、単純に部材が増えます。伴ってトラックの数も1台→2台に増やさないといけません。

さらに組立てや解体にかかる人件費も高くなります。

このような理由から、足場にかかる費用が上がってしまいます。

しかし、人命はお金に代えられません。

足場作業中の転落・墜落事故の割合は、建設業界の労働災害の中で最も

多く、長年の課題でもありました。

今回の法改正は、こういった墜落事故によって亡くなる作業員を減らし、

建設現場の安全性の向上につながる対策なのです。

費用があがり、お客様のご負担を増やすことは心苦しいですが、安全第一のために、

どうかご理解とご協力をお願いいたします。